電子材料事業部
放射性ヨウ素吸着剤
放射性ヨウ素吸着剤
福島第一原子力発電所の事故以来、日本の原子力発電所は、事故を起こさない安全対策から事故は起こるものとして安全対策を考えるようになっております。福島事故以降では、放射性物質による被曝を防止する手段としてフィルターベントを重要対策として設置することとしました。加えて、チェルノブイリ事故以降で対策を行っていた欧州でもできなかった有機ヨウ素対策までを行うこととしています。
ラサ工業は、1980年から放射性ヨウ素吸着剤としてシルバーゼオライト(AgX®)を提供して参りました。福島事故以降では、AgX®の過酷事故条件下での評価を行い、更に機能性を高めたAgX®をフィルターベントのヨウ素フィルター用にご使用いただいております。
また、欧州で要望のあったPWR型原子炉の高濃度水素含有ガス下でも使用できるシルバーゼオライト(AgR®)を開発致しました。
■ AgX®・AgR®の主な特徴
- 高温・高湿・高圧の中でも高い吸着性能。
- DPD(露点温度差)5K以下でも高い吸着性能。
- ベント開始時の水蒸気の凝縮時でも高い吸着性能。
- 水素含有ガス下での高い吸着性能。
- 450℃5日間、145℃100日間などの過酷条件で機能喪失しない。
- 水に濡れた場合でも機能喪失しない。
- 不燃性。
■ AgX®の特徴
- 低温領域(マイナス40℃まで評価)でも高い吸着性能。
- 活性炭(TEDA・KI)との置き換えが可能。
- 原子炉内、原子力建屋等の水素除去に有効。
■ AgR®の特徴
- PWR型原子炉の高濃度水素含有ガス下でも優れた吸着性能。
- 耐水性が高い。
- AgX®と併用することで更なる安全性向上が可能。
東京電力柏崎刈羽発電所AgX® Filter
(東京電力の公表資料です)
モバイルフィルターリングシステム車載模型
■ カタログ
■ アワード
北海道大学の奈良林直教授のもと、川村慎一博士がシルバーゼオライトによる有機ヨウ素吸着を用いた格納容器フィルタベントシステム等を研究開発し、それが実機導入されたことによる受賞。
ISOE ALARA SYMPOSIUM 2017
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